健康長寿の鍵 ~乳酸菌発酵液~
バイオジェニックス健康法
東京大學名誉教授 光岡知足

乳酸菌発酵液によるバイオジェニックス健康法

発酵乳・乳酸菌飲料と乳酸菌生産物質の成分はどこが違うか

fig01
表1
乳酸菌を利用した乳製品には多くの種類があり、発酵乳・乳酸菌飲料については、厚生省の「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する厚生省令)」によって定義されています。「はっ酵乳」とは、「乳(牛乳、水牛乳、山牛乳、緬羊乳、馬乳など)またはこれと同等以上の無脂乳固形分(脂肪を除いた固形分)を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの」ときめられていて、その成分規格は(表1)
のようになっています。「はっ酵乳」の代表的なものがヨーグルトです。はっ酵乳は、乳そのものを原料としてつくられていますから、無脂乳固形分は、乳と同じ8.0%以上で、乳酸菌または酵母数は一ミリリットル当たり1000万個以上と規定されています。ケフィヤ、クーミスなどもはっ酵乳に入ります。「はっ酵乳」を一般の商品には「発酵乳」と記載しています このはっ酵乳をベースとして糖液や香料などを加えたものが「乳酸菌飲料」です。無脂乳固形分が3.0%以上で、乳酸菌または酵母数一ミリリットル当たり1000万個以上のものを「乳製品乳酸菌飲料」といい、そのなかに、生菌のもの(例=ヤクルト)と殺菌したもの(例=カルピス)とがあり、殺菌したものでは、生きた乳酸菌は含まれていません。また、無脂乳固形分は3.0%未満で、乳酸菌または酵母数が一ミリリットル当たり100万個以上のものを単に「乳酸菌飲料」と呼んでいます。これらの乳酸菌飲料は日本独特のもので、外国ではあまり見られません。
 多くの乳酸菌生産物質は、乳ではなく大豆をベースに黒糖などを加えた培養基に、複数の乳酸菌と酵母を接種し、長時間発酵した後、濃縮して作られます。使用する乳酸菌と酵母の種類は3~20数種類と製品によって異なります。乳酸菌発酵液は乳酸菌生産物質の範疇に入りますが、乳酸菌生産物質の規格はまだありません。生菌製品ではないので、殺菌酸乳と同様、長時間発酵させますから、培養終了時の生菌・死菌の数はプロバイオティクスよりはるかに多く1ミリリットル当たり100億個以上になっています。出来上がった乳酸菌発酵物を遠心機で菌体を除去した上清液を濃縮したものが、一般に乳酸菌生産物質あるいは乳酸菌分泌液と呼ばれているものです。しかし、喜源の製品「喜源特濃」「全」は乳酸菌発酵物から菌体を除去せず、すべてを濃縮しているところが、他の乳酸菌生産物質と違いますので「乳酸菌発酵液」と呼ぶことにしています。その理由は、乳酸菌発酵液の菌体に生体に働く有効成分が多く含まれているからです。 殺菌乳酸菌も保健効果があることがわかった


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